第1回モンスーンシステムWGWS


2003/2/5-6 13:30〜@RIHN

いきなり遅刻。やってもうた。

13:35 安成先生
GAME-Iでわかったことは何か?
  • 大気と地表面における湿潤過程の決定的な役割
  • 植生の役割の大きさ
  • 季節変化・日変化の定性的定量的理解の重要性
    GAME-IIの課題
  • モンスーン形成における「海陸分布」の役割の本質は何か??
  • Onset/Withdrawalの決定的メカニズムは?
    チベット・ヒマラヤの役割はやはり重要。
  • 潜熱の役割は大きい。植生は貧弱だが、「ゼロ」とは大きく違う。
  • Abe et al.(2003) 陸地の高度を変えた数値実験。
  • 高さがなければ、モンスーンは海岸沿いに発生する。
  • 陸地の高度が上がるとともに、雨域が北上していく(チベットの南まで)。 水蒸気フラックスも顕著になっていく。
  • 山地80%のほうがモンスーンの強度は高い。
  • 夏場なので、山そのものの力学的効果(風が迂回するとか)はあまりないようだ。
  • 山の力学的な効果を抜きにしたモデルはできないのかなあ。
    大陸植生の役割
  • 植生効果の本質は、蒸発効率βではなく、圃場水量(Feild Capacity)で評価すべきでは?
  • 数値実験:1. control, 2. desert (fc=control), 3. desert (fc=1cm)
  • 植生がないと、海岸沿いのモンスーンは弱まる。
  • 砂漠化(アルベドの変化)とFCの変化がごっちゃ。
  • FCが小さいとリサイクルが弱まり、陸地の雨が減る??

    14:40 増田先生:熱水収支
  • GPCPの空間分布と再解析は似ている。←細かい空間スケールの観測は考慮されないから。 ステーションのMonthly観測に重みを持たしている。

    15:07 山崎さん(気象研)
  • ECMWF・GAME1.5では観測可降水量を入れている。
  • NCEP2というものが世にでているらしい。
  • GAME1.5で可降水量が小さめに出る。

    15:37 児玉さん(弘前大):1998年5月のAM熱源構造

    16:20〜 東南アジアの逆転層
    16:20 鎌田さん(東海大):逆転層の全球分布
  • Zonal Meanを取ると、20°NS周辺で強い逆転層が 発生する。南半球のほうが強い。また、冬のほうが強い。
  • アラビアでは夏発生する??
    16:53 東さん(東海大):逆転層を境とした熱のやり取り
  • ラジオゾンデのデータを用いて乱流熱フラックスを求める
  • 逆転層の下層では上昇流、上層では下降流。
  • 逆転層では水平移流の効果は少ない。鉛直流が主。
  • 逆転層を通過して35ワット上層に運ばれてくる。
    上明戸さん(東海大):逆転層のエアロゾルの相互影響
  • ラジオゾンデ・エアロゾルライダーから放射収支は求まるらしい。 ライダーは雲があるとエアロゾルを測れない。
  • 2kmを境として、下層はエアロゾル濃度が高い。
  • エアロゾル濃度の日変化は2月3月で顕著になる。
    17:48 野津さん(神戸大):大気安定性の季節(内)変動
  • 11月くらいから逆転層が発生(2km)。季節進行と共に上昇していき(3.5km)、3月ごろ消滅。
  • インドパキスタンでは逆転層は安定して高く、DryConvectionが顕著。
  • ハノイでは逆転層は2つに分かれる。クラッシャムという霧がかかる時期。

    19:00〜 夕食
  • GPCPは結構悪い(山崎さん)。


    2/5 9:30〜 再開
    9:30 松本先生:グローバルモンスーン
  • 風向きの変化でみる。いわゆるアジアモンスーン域が顕著に現れるが、インド西岸等では現れない。 雨やOLRも考慮に入れるべき。
  • 赤道を中心として対称なOLRが春秋に、非対称なOLRが夏冬に存在する。
  • OLRの重心をプロットすると、南北を行き来する。南北アメリカ及びアフリカでは一年を通して 比較的強いが、アジアモンスーンは春非常に弱い。
    9:58 川村先生:モンスーンオンセットの比較(南アジアとオーストラリア)
  • プレモンスーンにアラフラ海の温度が上昇、オンセットと共に低下。
  • (偏東風の弱化による)海面からの蒸発減少+(雲量減少による)入射太陽放射の増大⇒海面水温上昇
  • オーストラリアモンスーンはクリアに説明される。
  • OLRの季節変化は非常に顕著。アラビア海・ベンガル湾沿岸では急激なオンセット+ なだらかなWithdrawal。
  • OLRの先行指標としてSSTと対流不安定度の上昇が見られる。特にベンガル湾で顕著。
    10:25 篠田(雅)さん(都立大):オンセット期のユーラシア大陸
  • 雪の役割:アルベド・断熱・融解時融解熱を奪う。
    10:58 木口さん:プレモンスーン
  • 『質のオンセット』を紹介してくれた!
  • 風のオンセットの方が雨のオンセットより遅い。
  • プレモンスーン期の降水によって逆転層が破壊。いわゆるトリガー?
  • 850hPaより低い高さからの流入も大切(篠田さん)
  • OLRによる98年のオンセットは5/17。CMAと一致する。
    11:25 加藤さん(岡山大):梅雨との関連
    11:35 芳村
  • 8月20日付近の突然の太平洋からの水蒸気流入はRosbyによる?<横井さん

    11:55 鼎さん
  • チベットはただの障害物?
  • インドシナ半島近辺の海はオンセットに重要。
  • 西太平洋・フィリピン沖は雨季の半ばに重要。
    12:20 鬼頭さん
  • 現在のAGCMでの東アジアモンスーンの再現は結構ムズい。(10個中1,2個程度)
  • MRI AGCMは梅雨も再現している。インドシナを中心とした早めのオンセットも見られる。
  • CCSRとMRIは東西にズレができる
  • 温暖化実験結果:中国南部・インド・バングラで夏雨増加。
  • インドモンスーンのオンセットは早くなる。雨が強くなるというよりは、期間が長くなる。
  • タイではあまり変わらない。
    12:53 尾瀬さん(気象研):MRIGCMの降水日変化
  • TRMM観測との比較(層状・対流を区別):層状が全くでないが、まずまずの日変化を再現。
  • 陸上での降水ピーク時間はだいたい夕方。バングラあたりで夜だが、観測と一致。
    13:16 里村先生
  • EMCWFの日変化はダメ。MRIはすごい??

    13:30〜14:30 お昼休み。鴨なんば\1500を食べました。おいしかった。

    14:30〜 午後の部
    14:30 横井さん(京大)
  • ウェーブレット解析を用いると、8月に10〜20日周期、9月に30〜60日周期
  • 8/20付近にロスビー波が西進。
    15:00 加藤さん(岡山大)
    15:30 篠田さん(名大):梅雨・モンスーン
  • 海陸で水蒸気分布の鉛直構造が異なる。海では水面付近が多く、陸上では700hPaが多い(比較的に)。
  • 海上・陸上での潜熱・顕熱供給が異なるため+海上における逆転層の存在により、 水蒸気輸送のメカニズムが異なる。
    16:02 清水さん(名大):メソ
  • メソ対流系(20〜200km)・対流セル(2〜20km)。セルも大きさは様々だし、メソ対流系の構成も様々。
  • 鉛直シアが大きいと、セルが大きくなる。大きなセルは寿命が長い。(基本的に)
  • セルの寿命は雲内の下降流の強さに依存する。大きいと寿命が短い。
  • 下降流の強さは水蒸気供給源の中層湿度に依存する。湿度が高いほど、下降流は弱い。 ⇒中層湿度が高いと、寿命は長い。
  • スーパーセルは湿潤だと寿命が短い。小さいのは逆。
    16:30 富田さん(熊本大):梅雨前線の南北振動
  • 4-5年周期(35N以南:ENSO関連)、2年周期(28Nを節としたシーソー変動)がある。 EOFで同程度の寄与率であることがわかる。
    16:55 西森さん(農環研):統計的降水量予測
  • グリッドが粗い等のGCMの問題点をSDM(統計的ダウンスケール手法)で補う。
  • 地表気圧のみを用いて予測可能らしい。ただ、温暖化時の地表気圧・降水の統計的関係は現在と同じか?

    17:26 まとめ
  • プレモンスーン期の大陸加熱?周辺海域の加熱?
  • インドモンスーンとインドシナモンスーンは異なるメカニズムで起こっている可能性が高い。
  • トリガーは?海面水温?プレモンスーンの雨の逆転層破壊?