IPCC 4th Report

IPCC第4次レポートが正式発表されたのに伴い、スクリプスでもプレス発表があった。発表者は、所長のTony以下、Ralph Keeling, Lynne Talley, Veerabhadran Ramanathan, Dan Cayan, Tim Barnettの5名。

まずTonyがおさらいとしてMan-Made Changeであるということが90%以上確実だ、ということが今回の目玉だと述べた後、Ralphがお父さん(Charles Keeling)のマウナロアのデータが始まりだ、と自慢。自分の研究以外を言わされてなんか居心地悪そうだったけど、ローカル向けのプレスだから仕方ないのかな。

Lynneは海洋物理学のリードオーサーとして貢献。全てのセンテンスをレビューされて大変だったこと、現時点での観察と、見通しをいっているだけで、「いつ、どれくらいのスピードで(氷が)なくなるのか」というのは明言されていないことを指摘。

Ramは大気パートのReviewer。温室効果ガスの排出量増加から見積もられる気温増加は実際より実は少なくて、残り(の一部)はGlobal Dimmingの効果としてMaskingしているということも明記されている、とのこと。Offsetという言葉は、打ち消しあってその効果が跡形もなく消えてしまうような印象があるので、Maskingにしたとのこと。

Danはアメリカ南西部に関して述べた。海沿いで何度、内陸部で何度、雪解けが早くなって、みたいなことを言っていたが、そこまで詳しくは言い切れないんじゃない、と思った。(後で聞いたら、IPCCではなく、カリフォルニアの水資源アセスみたいなことをやったときの結果らしい。)

Timは第1次から参加しているらしい。今回は、Evidenceに関して貢献。Glacierを水資源としている地域が大いにやばい、という話。

全員が水資源やHydrologic Cycleに言及している点が気になった。温暖化に関して、人間の普段の生活にとって一番影響が大きいのが水だからなんだろう。反面、水に関する定量的なことははっきり言えておらず、(僕らが)イカンナーという感想。

記者からの質問はすべてローカルな影響について。そしてDan苦笑。まあ、そうなるわな。自信たっぷりに熱弁していたRamと対象に自信なさげだったDanが一番注目されるのも、皮肉な光景だった。

ちなみに沖さんもリードオーサーで貢献していたのだが、日本でプレス発表とかあったのだろうか。

category:Life author: kei at 2007-02-02 (Fri) 13:45:30