Seminar Report

Jian Lu (NCAR)によるセミナー。"Response of the zonal mean atmospheric circulation. -Global warming vs El Nino-"。

Global warmingとEl Nino/La Ninaによる大気構造の変化をモデル結果から解説。温暖化下では、El Ninoのときに観測されるものに似た赤道域の気温上昇があるものの、その原因はだいぶ異なる、というもの。ハドレー循環が弱まり極域方向に拡大、Jetも極域にシフトする。ElNinoは基本的に逆(ハドレー強まり縮小、Jet赤道方向にシフト)。

その原因は(非常に難解だったのだが想像するに)、

  1. 表層気温上昇→低中緯度におけるStatic stabilityの上昇→Storm track低緯度帯でのEddyが抑えられる→代わりに極域で増加
  2. 対流圏の上昇と緯度方向の温度傾度の増加→中緯度帯の対流圏界面の東西風が強化→critical latitudeが極方向にシフト→ハドレーセルのeddyがそこまでいけるようになる

ということのようだ。メカニズムを理解して、ポンチ絵で仕上げる、というところにものすごく理学的なものを感じた。だからどーした、と言われるとつらいだろうなあ。

category:Seminar author: kei at 2008-03-19 (Wed) 17:29:34

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